木材と石材の組み合わせは、天然素材の持つ温かみや豊かな色彩、そして深い質感によって魅力的な住宅を形成します。ブラジルの 建築家David Guerraによる住宅もそのひとつ。山間に建てられており、山小屋のような大らかな温かみと穏やかさ、自然に包まれている居心地の良さを感じる住宅です。詳しく見ていきましょう!
こちらが正面外観。壮大な山を背景に立つこの住宅は石材、木材、レンガ、そしてガラスという組み合わせ。斜めの勾配屋根と煙突、芝生がのぞくポーチの通路など素朴でカントリースタイル的な要素もありつつ、外観全体は山の環境にも負けない石材の力強さを感じる印象です。
こちらはリビングエリアからキッチン&ダイニングを眺めたアングルです。力強い石材の柱が、木材の梁が通った屋根を支える様がとても印象的です。大きく取られた開口部からは山の深い緑が全面に広がり、大自然に抱かれているような気分でリラックスできる室内です。勾配屋根の真下にも窓があるので自然光がたっぷり差し込みます。
オフホワイトのソファや木製のローテーブルがナチュラルで居心地の良い雰囲気を作ります。奥にはキッチンとの境界を兼ねているバーカウンターがあります。スツールは見落としてしまいそうな透明のアクリル製+極細の脚というデザイン。モダンなアクセントになり、しかも三脚並べても圧迫感がありません。
室内には外観同様、木材と石材の組み合わせがそこかしこに見られ、住宅の個性をより強調しています。
ダイニングルームからのアングルです。高さのある吹抜け、そして細身の木材を並行に並べた天井は、どことなくリゾート地特有のリラックスした雰囲気に近いものを感じさせます。周囲の風景をぐるりと見渡すことができる豊富に取られた開口部もその要素のひとつ。長方形の細長いダイニングテーブルも奥行きを強調しています。
キッチンはU字型の広々としたスペース。U字型キッチンの利点はやはり複数で調理をする際も、機能的な動線によって流動的で快適な作業が可能であること。大人数のゲストを手料理で迎えることができます。
温かみのあるイエローと艶のある黒というコントラストが高い組み合わせにより、生き生きとした活気と大人らしい落ち着いたムードを両立させています。
バスルームは装飾的なブルーのタイルがとてもキュートな空間。白と青という清潔感抜群の組み合わせに、木材でラスティックなセンスを追加。飾られたお花が差し色になっています。床と洗面台は大理石で高級感もあります。
寝室は中間色でまとめて安らかな穏やかさを感じるインテリアに。足元にはラグを敷いて暖かさをキープ。視線が真っ直ぐに伸び、遥か向こうの山脈までも見渡すことができます。こんな立地の住宅では、装飾を省きこの景色を主役にしたいですね。作り付けの奥行きの浅いデスクは省スペースで、ちょっとした作業にも便利。
庭側からの外観です。正面外観からは想像できなかった高床式住居のような造りです。ピロティとなっている下部にはもちろんソファセットやデイベッドを置いて、快適な日陰の半屋外スペースに。敷地を囲む柵は、眺望を損なわないようガラスの壁となっています。タイルを張ったプールもあり、もう他に何もいらない… そんな気分にさせる家です。