アール・ヌーボーとは?その特徴とインテリアへの取り入れ方

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
Jugendstil Mehrfamilienhaus Zürich-Seefeld, Fastarch Architekturbüro eth/sia Fastarch Architekturbüro eth/sia Corredores, halls e escadas clássicos
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アール・ヌーボーという言葉を、家具選びなどインテリアをコーディネートしていく中で見たり聞いたりしたことがある方も多いと思います。しかし、実際にそれがどのようなスタイルでどのようなデザインの特徴があるのかはあまり知られていないのではないでしょうか。そこで今回は、アール・ヌーボーの特徴とインテリアへの取り入れ方、さらには、アールデコという似たような言葉との違いについても見ていきたいと思います。

アール・ヌーボーとは

アール・ヌーボーとは、フランス語で「Art Nouveau=新しい芸術」を意味し、19世紀末から20世紀初期においてヨーロッパを中心に広まった芸術運動のことを言います。当時、産業革命によって大量生産の安価で質の低い製品が出回っており、アール・ヌーボーとはそれに対して鉄を中心としたその時代の新しい素材を使いながら社会や生活に芸術性を取り戻そうという動きのことです。その分野も、建築・家具から工芸品・絵画まで、芸術のあらゆる範囲に渡っていきました。

曲線的なデザイン

アール・ヌーボーの特徴としては、まず曲線的なデザインが挙げられます。それは、大量生産による機械化により、かつての装飾的な形態が取り除かれていった中で、曲線的なデザインによって生活に創造性や芸術性ある豊かさを取り戻そうとした結果でした。それは現代でも同様で、アール・ヌーボー調の自由で柔らかい曲線のある家具によって、インテリア空間に華やかさや豊かさをもたらしてくれます。

植物などの有機物なモチーフ

草木の枝や葉、花といった植物を中心とした有機物をモチーフとすることが多い点もアール・ヌーボーの特徴の1つです。階段の手すりや木製家具の形態としてそうしたモチーフが取り入れられたり、さらには壁に描かれることもありました。また、昆虫や動物といった自然にあるモチーフも用いられることもありました。場合によっては、そうしたモチーフはより抽象的な形態に簡略化され、自然を想起させるような自由な曲線によるデザインとなることもありました。

鉄を用いた繊細な表現

Gerbe de Blé, Temo Temo Varandas, alpendres e terraços modernos

アール・ヌーボーで多く利用されたのが、当時としては新しい素材であった鉄でした。鉄を線材として用いることにより、自由で軽やかな曲線の繊細なデザイン表現も可能となったのでした。柱や梁、階段の手すりやドアの把手など、建築の中にもあらゆる部分に取り入られていきました。鉄の軽やかな表現については、「住まいを軽やかに鉄で飾るには?」も是非参考にしてみて下さい。

モダンスタイルとの組み合わせ

アール・ヌーボーのデザインを家の中に取り入れたい方もいらっしゃると思います。モダンスタイルのインテリアでも、アール・ヌーボーのデザインはワンポイントとなり、うまく組み合わせることでインテリアをよりおしゃれにもしてくれます。こちらの株式会社 SYN空間計画 一級建築事務所が手掛けた住まいのように、階段の手すりを自由な曲線を取り入れながら、その他の部分は直線的なデザインにすることで、メリハリのあるバランスのとれたインテリアとすることができるでしょう。

アール・ヌーボーとアール・デコの違い

アール・ヌーボーと同じような言葉として、アール・デコがあります。言葉としては似ていても、芸術スタイルとしては全く異なるものとなります。それは1920年代から起こった芸術運動で、アール・ヌーボーのような大量生産に反する芸術の潮流に対して、アール・デコはシンプルさと合理性を目指したものになります。そのため、自由な曲線よりも直線的で模様のように繰り返しのあるデザインとなります。

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