高齢になると避けられない身体の衰え。シニアのベッドルームづくりには、若い世代とは異なる配慮が必要になります。健康寿命を延ばし、いつまでも元気でいてもらうためにも、適切なベッドルームで良質な睡眠をとることは重要です。今回はシニア向けのベッドルームを用意する際、知っておきたいポイントについて考えていきます。
ベッドルームの床に段差をつけないようにしましょう。シニアは筋力が低下するので、思っているより足が上がらず、数ミリの段差にもつまづいてしまうことがあります。高齢者の転倒は家庭内で頻発する事故のひとつです。転倒によるけがが寝たきりの原因にもなるという話は、よく耳にしますよね。
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シニアのベッドルームは和室より洋室、布団よりはベッドにするのがよいでしょう。布団は上げ下ろしが必要で、起き上がりしにくいのがシニアにとって負担になりがちです。また、起きるとき布に足を取られやすく、転倒の一因となってしまうことも。
ベッドは布団をしまう必要がなく、介護が必要な場合も介護者が腰をかがめずに行えるという利点があります。ただし、転落には気をつけましょう。転落防止や起き上がりをサポートするフレーム付きのベッドだと安心ですね。
今は元気な両親や祖父母でも、将来を見据えるのであれば、ベッドルームはできるだけトイレのそばに計画することをおすすめします。高齢者はトイレに立つ回数が増えますから、移動による転倒のリスクはできるだけ避けたいもの。ベッドルームの隣がトイレなら、要介護のシニアでも、状態によっては自力でトイレに行くことができます。将来介護が必要になった場合でも、ベッドルームの隣にあるトイレは介護者の負担を大きく軽減します。
シニア世代のベッドルームは、階段の上り下りのない1階に計画するのが一般的です。三世代同居の場合、リビングやキッチンのそばにベッドルームがあると、シニアが孤立感や寂しさを感じにくいでしょう。
ベッドルームには休息にふさわしい、落ち着いた雰囲気のインテリアを選びましょう。部屋に段差がある場合、そこだけ目立つ色にしておくのも転倒防止につながります。赤や黒は高齢者にとって視認性が高く、注意を向けやすい色といえます。
シニアのベッドルームでは、将来的に車いすを使用する可能性を考慮しましょう。床は車いすに対応できる素材を選びます。最近は車いすや杖の跡が目立たなかったり、転倒時にけがをしにくい高齢者対応の床材も出ています。