木造軸組工法やツーバイフォー工法など、木造住宅といってもその建て方は様々あり、その中からどれを選ぶかによって完成する家の特徴やそこでの暮らしも変わってきます。そこで今回は、木造住宅の代表的な工法である木造軸組工法とツーバイフォー工法を比較しながら、それぞれの魅力について紹介していきたいと思います。どちらにも長所短所がありますので、あなたが理想とする家づくりやライフスタイルに合った工法を見つけてみて下さい。
木造軸組工法は在来工法とも言われますが、その魅力からまず見ていくと、最初にその間取りの柔軟性が挙げられます。この工法は、柱や梁といった部材で建物の躯体をつくっていくことから、壁の位置を比較的自由に決めていくことができます。これは、日本の伝統的な建物における和室を見てみるとイメージしやすいと思いますが、そうした建物の室内はほとんどがふすまで仕切られているだけで、ふすまで小さく仕切られている部屋もふすまを取り除いて大きな部屋にすることができます。そのようなフレキシブルな間取りを木造軸組工法は可能にしてくれるのです。
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壁が躯体をなすツーバイフォー工法とは異なり、比較的自由に壁の位置を決めていくことができることは、窓を好きな場所に設けられるだけでなく、その大きさも比較的大きなものにしやすいという魅力ももたらしてくれます。あちこちに窓を開けていては耐震性が弱くなってしまいますが、効果的に大きな開口を開けることで、明るく開放的でありながら、地震に対しても安心の住まいにしていくことができるでしょう。
ツーバイフォー工法で建てられた建物でリノベーションをする場合、壁が躯体の一部をなしていることから、その壁を撤去あるいは移動することができず、部屋の形や大きさを自由に変更できないといった制限がでてくる可能性が高くなります。一方、木造軸組工法であれば、最初の部分でも述べたことと同様に、フレキシブルな間取りの変更をリノベーションにおいてもしていくことができますので、中古物件をリノベーションする際、あるいは将来的な改築を考えている方は、在来工法がおすすめです。
ここからは、ツーバイフォー工法の魅力についてです。その魅力として最初に挙げられるのが、優れた耐震性です。躯体が線で構成される在来工法と比べると、やはり躯体が面で構成されるツーバイフォー工法は耐震性の面では有利になります。地震の揺れに強いということは、同時に台風時の強風に対しても強い建物にもなります。ただし、耐震性が優れているからと言って、絶対に安全というわけではありませんので、転倒の危険性がある家具を固定するなどの地震対策も同時に講じていきましょう。
【地震対策については、こちらの記事でも紹介しています】
ツーバイフォー工法では、在来工法のような大工による手作業が少なく、規格化された部材の組み立て作業になるため、自然と工期が短くなります。こうしたことは、職人による経験や技術に作業の正確さが左右されないことから、品質が安定しているということもツーバイフォー工法の大きな魅力となるでしょう。工期が短いということは、人件費や工事中の仮住まい費用などが節約されることにもつながります。