雨樋(雨どい)を意識することは通常なかなかありませんが、私たちの気付かないところで家やその周囲を雨水から守っているとても重要な部分の1つです。そこで今回は、雨どいとは何かについて知っておきたい6つの事柄を紹介していきたいと思います。実は雨どいとは住まいの外観の印象にも影響してくる部分ですので、その色や形などのデザインも意識しながら家全体の外観にぴったりのものを選んでいきましょう!
雨どいとは、屋根に降った雨水を軒先でキャッチし、縦樋を通して外壁を濡らすことなく雨水を排水する役割を果たしています。もし、雨どいがなかったり破損していたりすると、屋根から雨水が外壁に流れていったり、屋根から直接地面に雨水が落ちることで、外壁に泥が飛び散ったり、あるいは腐食してしまうことにつながります。住宅の中では地味な部分ですが、住まいを守るために非常に重要な役割を担っています。
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雨どいとは、基本的に選ばれるデザインは外観としてあまり目立たないようにすることが基本になると思います。色はもちろんのこと、縦樋を取り付ける場所も重要になります。素材としては、塩化ビニルやアルミ、銅やガルバリウムなどがあり、同じ色でも素材によって見え方や印象は異なってきます。色は基本的に屋根や外壁の色と同じものを選んでいくことになりますが、その2つの色が全く同一ということはまずないでしょう。外壁の色によって、雨どいの色を少し濃くしたり薄くしたりして、全体として目立たないようなものにしていきましょう。
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長年住み続けていると次第に雨樋にも不具合が生じてきます。その原因の多くは、落ち葉などが軒樋や縦樋に溜まっていたり、軒樋の傾斜がきちんと縦樋に向かっていなかったり、台風や雪などで雨樋が損傷してしまうなどです。そうした不具合によって雨水がきちんと排水されていない状態が続くと、家自体を大きく損なってしまうことにつながりかねません。気付いたらすぐに修理を行うこと、さらには定期的なメンテナンスも心掛けていきましょう。
【住まいについては、こちらの記事でも紹介しています】
日頃から注意しておきたい事は、雨が降っている時にきちんと軒樋から縦樋と通って排水されているかどうかの確認です。もし不具合が生じていたら、雨水が軒樋から漏れているのがすぐに見てとれるはずです。そうしたことが起こらないためにも、定期的に溜まっている落ち葉などを取り除いたり、樋がきちんとつながっていることなどを点検していきましょう。
雨どいが付いていない建物を見たことがある方もいらっしゃるでしょう。メンテナンスや補修などを考えると、付けない方がいいのではと思われるかもしれません。もちろんそのまま屋根から雨水を落とすのでは、外壁が汚れてしまうので、軒下に砂利を敷いて泥の跳ね返りをなくしたり、軒を長くして跳ね返りが外壁まで届かないようにするなどの必要があります。また、こちらのハルナツアーキが手掛けた沖縄に建つ住まいでは、十分な敷地スペースがあることから、雨どいを設けず、外壁につく塩気を雨が洗い流すようになっています。
写真:中村絵
住まいに降る雨水はそのまま雨どいを通って排水されるわけですが、その水を貯水タンクなどに貯めることで雨水を有効利用することも是非考えてみて下さい。こちらの住まいのように、貯水した雨水を利用して、夏場の太陽光パネルを冷却したり、必要に応じて散水することで冷房負荷を軽減することができます。太陽光発電については、「自宅に太陽光発電を取り入れるべき?」も参考にしてみて下さい。
こちらは落ち葉を考慮して雨樋をつけない家。地面の雨だれ部分は、砂利で雨のハネを防いでいます。雨樋を付けないとなると雨がそのまま落ちてくることになりますが、雨が落ちる部分が自分の敷地内である場合近隣に迷惑をかけることはないでしょう。こちらのように地面の仕上げに気を付ければ、軒先から落ちる雨も風情がありますね。
こちらの住まいは、雨水を竪樋からタンクに貯めて家庭菜園に利用できるようにしています。正方形平面に三角形の屋根を二段に葺いて、南の屋根にはソーラーパネルも配置されています。さらにエコキュート、IHクッキングヒーター、エアコン、電気床暖房を使用したオール電化住宅です。